【最近の為替相場はFX投資家に有利】
ユーロドルの下落に一定の歯止めがかかりつつある状況だが、今後もユーロが大きく動く可能性は排除できない。19:45のパパデモスECB副総裁の講演や、22:00からのECBの会合に関する報道が、ユーロを刺激することもあるだろうから、ユーロの取引を考えている方は時間帯に注意したい。米国関連では、23:00発表予定の フィラデルフィア連銀景況指数に注目している。米国経済に対する市場の評価は落ち着いているが、足元の景気の方向感によって市場の評価が変わることも視野に入れている。17:30発表予定の英小売売上高も要注意だ。本指標は事前予想と大きくずれることもあり予想外の結果でポンドが大きく反応することもありえる。
為替相場は鳥の目で分析し、予想しよう
先週も書きましたが、PIIGS問題はやはり終息することなく、引き続き市場の波乱要因となっています。世界の株式市場は大きく下落し、債券
市場においてもPIIGS諸国の債券は売られ(金利上昇)、安全資産と見られるドイツ国債への資金流入が起こり、そのためユーロ建て債券の発行国別利回り格差は大きくなっています。それはもちろん長期国債だけではなく、その信用不安は金融機関の米ドルの調達コストを示すLIBOR金利の上昇という形でも表れていることを週末の新聞でご覧になった方も多いでしょう。日本円はリスク回避の消極的選択の結果、買われ、円高となり、それはますます日本の株安を招いています。
多くの専門家はリーマン・ショック以降の二番底にはならない、と発言していますが、市場の不安は増し、混乱していることは事実でしょう。 個人的には、数々の経済指標の数値も改善しつつありますので、今回のPIIGS問題が決定打となって二番底になるとは考えていません。ただ現状に中国の金融政策(通貨切り上げや利上げ)がタイミング悪く重なると(現在中国も株価が下落しているので、近々の実施は考えにくいですが)、市場には大きなショック、景気回復に水を差す可能性が高いと心配はしています。
ここにきて、比較的堅調であった豪ドルが大きく変動しています。しばらく利上げの可能性がないであろうと示唆されたこと、また貿易で大きなつながりのある中国の景気減速がオーストラリア経済に悪影響を及ぼすという見方があることなどが原因と言われ、急落しました。(先週金曜日には反発)
豪ドルの場合、その値動きは、基本は豪ドル・ドル(AUDUSD)によるものです。私たちになじみ深い豪ドル円はクロス円レートであるため、市場規模
はそれほど大きなものではありません。豪ドル・ドルですら、その取引量はユーロ・ドルの3分の一以下(2007年BIS)に過ぎないのです。市場規模が大きくない場合、当然一方向の圧力がかかった場合は大きく変動することが多く、豪ドル市場の値動きが激しいのはそのためです。
先週の場合、ドル円においても急速な円高が進んでいます。豪ドル円はドル円と豪ドル・ドルから成るレートですから、その動き(下落)に拍車をかけたことになります。
そもそもの豪ドルの急落は利上げ観測が遠のいたことなどから売りが加速、ストップロスなどを巻き込むことで、その勢いが一気に増していったとのこと。ただし、こうした「理由づけ」は後から言われるに過ぎず、市場と向き合っている瞬間は何が起こっているのかわからないまま、そのスピードを見守ったり、置いていかれてしまったりということが大変多いと思います。それだけにボラティリティ(変動)の激しい通貨を取引するときには、前もって損切りや利食いの注文を入れておくことが重要になってきますね。
PIIGS問題は欧州市場に限らず、様々な影響を及ぼしています。投資はFX取引だけという人も、世界の株式市場の動きは注目する必要がありますし、例え日本株しか取引していないとしても、為替や金利の動きを追う必要があります。「木を見て森を見ず」にならないよう、「鳥の目」をもって市場を見るようにしていきたいですね。
為替相場の注目ポイント
米国株式市場の動向・・・金融規制法案可決(ボルカー・ルール厳格化見送り)で目先金融セクターが反発?
当局のユーロ防衛スタンス・・・スイス中銀のユーロスイスでの介入はECB介入の前触れか?
ガイトナー米財務長官が英独を歴訪・・・金融市場の安定で協調行動がとられるか?
米国住宅関連指標・・・住宅購入者向け税控除措置の期限切れ前の駆け込みで上振れ?
今晩発表予定の主な経済指標は米中古住宅のみ。今回発表対象となる4月は、住宅購入者向け税控除措置の期限切れ直前のため、駆け込み要が販売件数を押し上げる結果となるだろう。市場もこうした結果を織り込み済みであるから、よほどの好結果にでもならない限り為替市場への影響は限定的と思われる。
注目されるのは、むしろ米中戦略・経済対話だろう。中国・北京で開催されているため、何らかのメッセージが出るとすれば、ロンドン時間開始当初の可能性もある。また、当局からのメッセージだけでなく、関連報道が市場に影響を及ぼす可能性にも注意したい。
為替市場は、先週に比べ、やや落ち着きを見せつつあるが、リスクを回避する姿勢が弱まった様子はない。欧米株式市場にて、株価が下落する展開になると消去法的に円買いが進む可能性は依然として残されている。この場合、円高が進みやすいのは、ドル円やユーロ円よりも豪ドル円だろう。
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●今晩の注目通貨ペア
ドル円、ユーロ円、豪ドル円
●今晩の注目イベント
23:00
米 中古住宅販売件数(4月)
予想 565万件 前回 535万件
米中戦略・経済対話(北京、25日まで)
欧米株式市場